ピチェ・クランチェン『About Khon』(竹田真理)

 去る11月12~14日、初の開催となったKYOTO EXPERIMENTの演目のひとつ、ピチェ・クランチェンと彼のカンパニーによる『About Khon』の公演がありました。タイの古典舞踊“コーン(khon)”の名手によるコンテンポラリーダンスの舞台ですが、内容の大半が異文化に属するひとりの人物との対話を通してコーンの内実に迫っていくというもので、ジェローム・ベル案出の2004年の作品『ピチェ・クランチェンと私』(2008年には横浜でも上演)に多くを拠っています。また長い対話部分の後にはピチェ・クランチェン・カンパニーによるコーンの実演場面が加わり、全体でひとつの作品を構成しています。